皆さん、こんにちは。ジャパンフードカンパニーの南口です。
「毎月同じ請求書処理で半日つぶれる」「出荷指示書を1件ずつ手入力している」「勤怠集計のためだけにパートさんを増やした」。JFCの支援現場で、最も多くお聞きする悩みです。
こうした毎月・毎週・毎日繰り返される定型作業=ルーティン作業こそ、自動化の効果が最も出やすい領域です。新しいシステムを買い替える必要はありません。今あるツールと、少しの仕組みで、多くのルーティンは片づきます。
この記事では、ルーティン作業を自動化する具体的な選択肢と、中小零細企業で現実的に回す方法をお伝えします。
この記事でわかること
- ルーティン作業の定義と、自動化できる業務の見極め方
- ルーティン作業を放置している3つの隠れコスト
- 自動化の3つの選択肢と、それぞれの落とし穴
- 月額制で「プロに任せる」という現実的な選択肢
- JFC支援先の実例(月10時間→1時間、60分→5分)
ルーティン作業とは?自動化できる業務の見極め方
ルーティン作業とは、毎月・毎週・毎日、ほぼ同じ手順で繰り返される定型業務のことです。判断が少なく、ルールで処理できる作業ほど自動化に向いています。
ルーティン作業の具体例
JFCの支援現場でよく自動化対象になる業務は次のようなものです。どれも「誰がやっても同じ結果になる」性質を持っています。
- 仕入請求書のPDFから金額・明細を転記する
- ECサイトの注文データを出荷指示書の形式に変換する
- 勤怠PDFを集計して給与計算表に落とす
- 受注メールの内容を受注管理表に転記する
- 月次の売上集計を複数モールから集める
- 在庫数を毎朝チェックして発注アラートを出す
これらは共通して「手順が決まっている」「判断が少ない」「量が多い」という特徴を持ちます。つまり、人がやる必然性がない作業です。
逆に「自動化に向かない」作業とは
一方で、その都度判断が必要な作業は自動化に向きません。価格交渉、クレーム対応、新商品の企画判断などは、人の文脈理解が要ります。
自動化を検討するときは、まず「判断が少ない作業」と「判断が多い作業」を仕分けることから始めてください。これをしないと、複雑すぎる業務を自動化しようとして頓挫します。
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ルーティン作業を放置している3つの隠れコスト
ルーティン作業そのものは1回あたり小さな負担に見えます。しかし年間で見ると、中小企業の経営を圧迫する3つのコストが発生しています。
コスト1:社長・幹部の時間が削られる
中小企業庁の「中小企業白書」でも指摘されているとおり、従業員20名以下の会社では経営者が経理・総務・営業を兼務しているケースが多数派です。ルーティン作業に1日30分取られるだけで、月10時間以上の経営判断の時間が失われます。
コスト2:属人化による退職リスク
「この業務はAさんしかできない」状態は、Aさんが辞めた瞬間に会社が止まるリスクを抱えています。ルーティン作業ほど、気づかぬうちに1人に集中しがちです。
属人化の解消方法については「属人化を解消する仕組み化の方法」で詳しく解説しています。
コスト3:採用で解決しようとして採用コストが膨らむ
ルーティンの負荷が限界を超えると、多くの会社はまず「採用」に走ります。しかし、採用は最もコストの高い選択肢です。求人広告費・研修時間・採用後の社会保険料など、年間で数百万円の固定費が増えます。
一方、ルーティンを自動化すれば、そもそも採用が不要になるケースが多いのです。詳しくは「人手不足を採用以外で解決する方法」をご覧ください。
ルーティン作業を自動化する3つの選択肢と落とし穴
ルーティン作業の自動化には、大きく3つのアプローチがあります。中小零細企業にとって、それぞれに向き不向きがあります。
選択肢1:自社で内製する
Excelマクロ、GAS(Google Apps Script)、ノーコードツールなどを使って自社で構築する方法です。うまくいけばコストは最小ですが、構築できる人材がいないと頓挫するのが現実です。
JFCの支援現場でも、「頑張ってマクロを組んだが、作った人が辞めて誰もメンテできない」というケースを何度も見てきました。内製化の前に「属人化した場合に誰が保守するか」を決めておく必要があります。
選択肢2:特定ツールを買う(RPA・kintone等)
既製のRPAツールやkintoneのようなノーコードプラットフォームを契約する方法です。機能は豊富ですが、「結局使いこなせない」問題がつきまといます。
IPA(情報処理推進機構)の「DX白書2023」でも、ツール導入はしたものの定着せずに解約する中小企業が一定数あると報告されています。ツールは買うこと自体が目的ではなく、「運用し続けること」が目的です。
選択肢3:月額制で業務効率化のプロに任せる
自社で作らず、外部のプロに設計・構築・運用までをお任せする方法です。月額制、都度費用など様々お付き合い方法はありますが、何より「辞めるリスクが無い」というのが最大のメリットです。
月額制のサブスクリプションで継続支援を受ける形が、中小零細企業には最も現実的との考えから、弊社では「我が社のDXコンシェルジュ」という形でサービス提供しています。
ポイントは「特定のツールに縛られない支援者を選ぶ」こと。RPA専門業者はRPAを売りたくなりますし、kintone専門業者はkintoneを勧めます。自社の業務に最も合うツールを中立的に選んでくれる相手が理想です。
月額制で「プロに任せる」という選択肢の中身
「プロに任せる」と聞くと、高額な一括コンサルティング契約を想像される方が多いのですが、近年は月額制で継続支援するサービスが増えています。中小零細企業にとって、この形が最も無理なく続けられます。
月額制サービスの3つの利点
第一に、小さく始められること。いきなり大きな投資をせず、1つの業務から着手できます。効果が出てから次へ広げる判断ができます。
第二に、相談の敷居が低いこと。毎月定額なので、「こんな小さな業務で相談していいのか」と躊躇する必要がありません。
第三に、社内にノウハウが残ること。継続的に伴走してもらう中で、社員も「これは自動化できる/できない」の判断軸を身につけていきます。
選ぶときに見るべき5つのポイント
月額制の業務効率化サービスを選ぶときは、以下の5点を確認してください。
- ツール非依存か:特定のRPA・kintoneに縛られず、自社の業務に合うツールを中立に選んでくれるか
- 担当者固定制か:毎回違う担当が出てくると、業務理解が積み上がらない
- 相談の敷居の低さ:チャットで気軽に相談できるか。都度見積もりだと相談しにくい
- 丸投げ対応の可否:「教育型」だけだと、社内に人がいない会社では回らない。代行も選べるか
- 業界・規模の実績:大企業向けノウハウと中小企業向けは別物。自社と近い規模の実績があるか
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JFCの支援事例:ルーティン作業の自動化で何が変わったか
JFCのDXコンシェルジュで実際に支援した事例を2件ご紹介します。どちらも特別なシステムを買ったわけではなく、既存ツールを組み合わせて構築しています。
事例1:仕入請求書の仕分け(月10時間→チェック1時間)
クレープ製造販売の株式会社ガレ様では、毎月40件以上の仕入請求書をPDFで受領し、手作業で集計・仕訳していました。月10時間ほどの作業時間がかかっていたそうです。
ここにGoogle DriveとAI(Gemini API)を組み合わせた自動化の仕組みを導入した結果、月の作業時間はチェック1時間以内に短縮。年間で約108時間の削減となりました。ツールは新規導入ゼロ、既存のGoogle Workspaceで完結しています。
詳しくは「ガレ様の請求書自動化事例」でご紹介しています。
事例2:EC出荷指示書の作成(60分→5分)
水産加工食品の魚匠えびす様では、ECサイトの受注データを出荷指示書の形式に変換する作業に、毎回60分かかっていました。
受注データから出荷指示書を自動生成する仕組みを構築したところ、1回あたりの作業時間は5分以下に。担当者は本来の業務に時間を戻すことができました。
事例に共通する3つのポイント
これら2つの事例に共通するのは、次の3点です。
- 新しい高額ツールを買っていない(既存のGoogle Workspaceで完結)
- 業務を丸ごと置き換えず、「人がチェックする工程」は残している
- 1つの業務から始めて、効果を見てから次へ広げている
ルーティン作業の自動化は、派手なDX投資ではありません。地味な改善の積み重ねが、結果的に年間数百時間の削減につながります。
ルーティン作業の自動化を月額制で始める第一歩
いきなり全業務の自動化を目指す必要はありません。まずは「毎月絶対にやっている作業」を1つ選び、そこから着手するのが現実的です。
ステップ1:自社のルーティンを書き出す
紙でもExcelでも構いません。「毎月やっている作業」「毎週やっている作業」「毎日やっている作業」を書き出してみてください。この時点で「想像以上に多い」と気づく方がほとんどです。
ステップ2:時間と頻度で優先順位をつける
「1回あたりの時間 × 月の発生回数」で年間の合計時間を計算します。合計時間が長い順に着手候補を並べてください。感覚ではなく数値で優先順位を決めることが重要です。
ステップ3:1つ選んで相談する
優先順位が高い業務から1つ選び、業務効率化の支援者に相談してみてください。「本当に自動化できるのか」「どのツールが合うのか」は、外部の目が入ると見えやすくなります。
JFCの我が社のDXコンシェルジュは、食品EC・不動産・司法書士事務所など、業界を問わず中小零細企業のルーティン自動化を支援してきました。ツール非依存・担当者固定制・チャット相談し放題・月額制のサービスです。
よくあるご質問(FAQ)
Q. ITツールに詳しくなくても相談できますか?
はい、むしろそういう会社を前提にしたサービスです。DXコンシェルジュは「IT担当者がいない会社」を主な対象にしています。専門用語を使わず、業務の言葉で相談していただいて大丈夫です。
Q. どれくらいの規模の会社が利用していますか?
従業員5〜30名規模の中小零細企業が中心です。JFCは食品EC支援14年・70社超の実績があり、同規模の支援経験を多数持っています。
Q. 既存のkintoneやRPAを使い続けたいのですが対応できますか?
対応できます。JFCはツール非依存の方針で、既存ツールを活かす形での効率化をご提案します。特定製品を売ることが目的ではありません。
Q. 月額制とのことですが、契約期間の縛りはありますか?
個別にご相談可能です。まずは短期で試してから継続判断する形も承ります。詳細は初回無料相談でお伝えします。
Q. 丸投げしたいのですが、代行までしてもらえますか?
DXコンシェルジュには「内製化支援コース(伴走型)」と「社外に御社のDX担当コース(完全アウトソース代行型)」の2コースがあります。社内にIT担当がいない場合は後者をお選びいただけます。
【出典】
・中小企業庁「中小企業白書」
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX白書2023」
【著者】南口龍哉(ジャパンフードカンパニー株式会社 代表取締役)
食品EC・BtoB-ECコンサルティング14年・70社超の支援実績。中小零細企業の業務効率化・DX支援を専門領域とする。
まずは「30分無料相談」をご活用ください
JFCのDXコンシェルジュは、中小零細企業専門14年の業務効率化支援サービスです。ツール非依存・担当者固定制・チャット相談し放題。「自動化できるかだけ知りたい」「何から始めればいいか整理したい」──そんな段階でのご相談も歓迎です。