月800件の振込確認が、3日仕事から1日弱に
月初に約1000件の家賃振込を1件ずつ目視で管理台帳と突き合わせる──2人がかり3日(延べ72時間)の単純作業を、銀行データと管理台帳の自動マッチングに置き換えました。突合ミスは年数回からゼロへ、オーナー報告も月初5日〜10日に前倒し。1人あたりの生産性が飛躍的に向上した事例です。
毎月1日、経理部の月初業務はExcelを開くところから始まっていた。前月末から1ヶ月分溜まった家賃振込のデータを銀行サイトからダウンロードし、別ファイルの管理台帳と1件ずつ目で照合していく作業だ。物件数は約1000件。「○号室の○○さん、4月分3万8,000円」と画面とリストを行き来しながらチェックしていく。名義の表記揺れ(カナと漢字、屋号と個人名)、振込手数料分の金額不一致、入金タイミングのズレ──これらが出るたびに別シートを開き、過去履歴や契約書を突き合わせる。2人がかりで3日、延べ72時間がこの目視突合で消えていた。集中力を要する単純作業のため、それでも年に数回突合ミスが発生し、遡って調査することも珍しくなかった。前職などでは、慣れた他社でも慣れた事務員さんが、その個人スキルによって圧倒的スピードで処理していたが、逆に言えばそういう事務員さんが居なくなったらひとたまりもないなと人手を増やすこともためらっていた。
銀行データを所定のフォルダに置くだけで、自動マッチングが走る仕組みに置き換えた。管理台帳側の物件番号・契約者名と、銀行データ側の振込人名義・金額・日付を、複数のキーで突合する。名義の表記揺れは過去の照合履歴を学習させた辞書で吸収し、金額差異は振込手数料分を許容する独自ルールで自動判定する。1000件すべてはデータの特性上に無理だったが、結果800件のうち約740件が「自動で一致処理」され、人が確認するのは残り60件の「グレー判定」だけ。2人体制で3日かかっていた月初業務は、1人で1日弱に短縮された。年2〜3件あった突合ミスは、運用開始から今のところ0件で推移。何より変化したのはオーナー報告のスピードで、月半ば以降にしか出せなかった収支報告書を毎月5日~10日頃に報告できる体制になった。経理の月初の空気感が変わり、3日目以降は次の業務に余裕を持って取り組めるようになっており、1人あたりの生産性は飛躍的に向上した。現在は支払業務側(仕入れ先)の請求書でも同様のマッチングを展開する計画が進行中で、入金マッチングの成功体験が、社内のDX推進そのものの起点になりつつある。
月72h → 14h
突合ミス 年2〜3件 → 0件
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