取引先ごとに違う請求書、月初に一気に押し寄せる
取引先が増えるほど、請求書の書式もバラバラになります。金額の書き方、項目の並び、支払条件の記載場所──統一されていない書類を1件ずつ目で確認し、勘定科目や取引先ごとに仕分けていく作業は、月初になると一気に積み上がる負担でした。
「月初は請求書の仕分けだけで、ほかの経理業務が止まってしまうほどでした。取引先ごとに書式が違うので、慣れていても確認に時間がかかります。」
「仕分けを間違えると支払い漏れや二重払いにつながるので、慎重にならざるを得ず、余計に時間がかかっていました。」
正確性が求められる作業ほど、人は慎重になり、時間がかかります。「速さ」と「正確さ」を両立させることが、この課題の核心でした。
実施したこと:AIが読み取り、人は確認だけに集中
取引先ごとの請求書パターンを整理
主要な取引先の請求書フォーマットを集め、金額・取引先名・支払期日など、仕分けに必要な項目の位置関係を整理しました。
AIによる読み取り・仕分けの仕組みを構築
取引先別に請求書をAIが読み取り、あらかじめ設計したルールに沿って自動で仕分け。仕分け結果はExcelに整理された形で出力されます。
担当者は仕分け後のExcelをチェックするだけに
ゼロから仕分けていた作業が、「結果を確認するだけ」に変わりました。月10時間かかっていた作業が、月1時間程度まで圧縮されています。
苦労した点:フォーマットが揃っていない請求書の扱い
取引先の数が多いほど、請求書のフォーマットも多様になります。中には手書きに近いレイアウトや、金額の記載位置が毎回微妙に違うものもあり、最初はAIの読み取り精度にばらつきが出ました。
ここは「完全自動」にこだわらず、読み取り精度が低いフォーマットは人の確認を厚めに残すという設計に切り替えたことで、全体としての信頼性を保てました。全件を同じ基準で自動化しようとしないことが、結果的にうまくいったポイントです。
導入後の変化
月10時間かかっていた請求書仕分けは、月1時間程度のチェック作業に短縮されました。空いた時間は、支払い管理や資金繰りの確認など、より優先度の高い業務に充てられるようになったと伺っています。