「今日の出荷、何件だっけ」から始まる毎日
受注が入るたびに、出荷指示書を手作業で作成する。件数が多い日は、それだけで午前中が終わってしまう──食品卸売・EC事業者の現場でよく聞く悩みです。出荷件数は日によって変動するため、繁忙期にはこの作業だけで担当者の時間が埋まってしまい、本来注力すべき欠品対応や配送調整に手が回らなくなっていました。
「毎朝、受注データを見ながら1件ずつ出荷指示書を作っていました。件数が多い日は1時間近くかかることもあり、出荷が集中する時期は本当に大変でした。」
「作業そのものは単純なのに、量が多いと時間を奪われる。ミスが許されない緊張感もあり、精神的にも負担の大きい業務でした。」
単純だが件数が多いと重くなる。しかもミスが許されない──この組み合わせが、出荷指示業務を「もっとも自動化の恩恵が大きい業務」にしている理由でもあります。
実施したこと:受注データから帳票化までを一気通貫に
受注データの取り込み経路を整理
受発注システムやECモールから出力される受注データの形式を確認し、出荷指示書に必要な項目(商品・数量・配送先等)の対応関係を整理しました。
出荷指示書を自動生成する仕組みを構築
受注データから、既存のフォーマットに沿った出荷指示書を自動生成。手作業での転記・入力をなくしました。
担当者の仕事は「内容チェック」だけに
自動生成された指示書を担当者が確認するだけの運用に切り替え。出荷件数が多い日でも、作業時間はほぼ一定になりました。
苦労した点:「件数が多い日」の変動にどう対応するか
当初、想定していなかったのが「受注データのフォーマットが、モールや取引先によって微妙に異なる」という点でした。同じ「商品名」でも表記の仕方が違ったり、配送先の書式が揃っていなかったりと、一本化するための調整に時間がかかりました。
この点は、取り込み時点でのデータ整形ルールを丁寧に設計することで解消しましたが、「自動化=すぐ終わる」ではなく、最初のデータ整理にこそ時間をかけるべきだと実感した部分です。
導入後の変化
1日60分かかっていた出荷指示業務は、5分程度のチェックのみに短縮されました。何より大きいのは、出荷件数に関係なく作業時間が一律になったことです。繁忙期でも作業負担が跳ね上がらなくなり、担当者の方は欠品対応や配送調整など、より重要な業務に時間を使えるようになりました。